この記事は、中小企業特有の事情を踏まえた企業理念の作成ポイントをお伝えします。

具体的には、

・企業理念とは何か?
・なぜ、中小企業ほど企業理念が大切なのか?
・つくるとどんなメリットがあるのか?


をお伝えした後に、

・企業理念の作成方法
・つくった理念の浸透方法

をシンプルにご紹介します

社長さんの事業にかける熱い想いが従業員さんに伝わり、業績アップ、発展に繋げて頂ければと思います。
熱い志と従業員を想う気持ちが空回りしている社長さんに特におすすめの内容です。

企業理念とは?

企業理念をシンプルに表現するなら、

「社長の事業にかける想いや情熱を文字にしたもの」

となります。

※もっと難しい学術的な定義や解説は、専門書や他社のページに譲り、この記事では全てシンプルにお伝えしていきます。

例えば、

「わが社の製品で困っている人を助けたい」

「ウチのお店に来たお客さんが笑顔になって、明日から頑張ってもらえたら嬉しい」

社長がそんな想いで経営していると知れば、
従業員は業務を通じたやりがい、張り合い、仕事や会社にプライド
を持てます。

そして、目標を共有することで、同じ方向に向けて力を合せることができます。

中小企業にはパワーロスしている余裕はないのでこれはとても重要なことです。
例えば、重い荷物をロープで引っ張る場合、それぞれのロープをバラバラな方向に引っ張ったらどうでしょうか?

ほとんど動かないか、思いもよらぬ方向に荷物は運ばれてしまいます。
逆に、一つのロープを皆で同じ方向に引けば、スムーズに動くことでしょう。

事業には目的や目標があり、それに向かって全員が力を合わせることが達成には必要です。

また、これから仲間になる求職者にも、その想いを伝えることは大切です。

せっかく入社して、ようやく仕事を覚えたころ「なんか違うよね」「こんなはずじゃなかった」と退職してしまっては労使共に不幸です。

想いとは価値観の一つです。

価値観に良いも悪いも無いぶん、否定も押し付けも出来ませんし、
そして、社長と従業員はお互いに大人なのでその溝を埋めることは難しいです。

であれば、最初から価値観の近い人に入社してもらえばよいことです。

一人採用するのに100万円かかることも珍しくない現代においては、「すぐに辞める」は何としても避けたいことです。

中小企業こそ企業理念が必要な理由

企業理念は大きな会社のモノと思われている方も多いようですが、
実は中小企業こそ企業理念が必要です。

少人数なら企業理念は不要という勘違い

よく社長さんから

「もっと従業員が増えたら企業理念をつくります」

というお声を頂きます。

そこで、私はこうお伝えしています。

「従業員が一人でもつくった方がいいですよ」

理由は、

「従業員が少なければ社長の想いが自然に伝わるというわけではない」

からです。

「いつも一緒に働いているから言わなくてもわかってもらえている」

「想いを語っているから大丈夫」

「社長は背中で示すべき」

こんな意見を聞きますが、果たしてそうでしょうか?

頑張っている社長の背中を見せれば、従業員に想いが伝わる
とお思いなら、チョッと考えてみてください。

黙っていても奥様やご主人にあなたの「想い」は伝わっているでしょうか?

何年も寝食を共にしている相手でも、しっかり伝えなければ理解されないことも沢山あります。
親子でさえも、そんなことはあります。

仕事上の付き合いである従業員とならば、尚更ではないでしょうか。

だから、しっかりと分りやすく伝える必要があります。

また、ジックリと面と向かって話をするのも良いですが、
タイミングや相手により内容は少し変わってしまうものです。

聞いている方はそれをブレと感じるかもしれません。

そうならないように社長の「想い」を明文化することをおすすめします。

それこそが企業理念です。

中小企業間で業績の差を生み出しているものとは?

私は22年間会社員として営業職をしていたので、たくさんの中小企業とお付き合いがありました。
業種、業態は様々ですが、業績の好調・不調、元気がある・ないという違いはハッキリしていました。

好業績企業の共通点とは?

私の経験上、中小企業が販売している商品・サービス自体には、さほど差が無いとい思います。

ネットが発達している現代社会では、同じような商品・サービスが氾濫しています。
そんなにひどい商品というものはありません(そういう会社はスグに潰れてしまいます)

また、優秀な人ばかり集まっている中小企業も見たことがありません。

スペックは大差ないのですが、業績や勢い、雰囲気には大きな差がついています。

(一方で大企業は研究開発能力やそこから生まれる特許、ブランド力等での差別化が可能)

では、その差はいったいどこから生じているのでしょうか?

業績が良く、元気もあり、雰囲気が穏やかな会社に共通して言えること。

それは、

  • 価値観が共有されている
  • 目標がハッキリしている

ということです。

そういう会社は、
従業員は活き活きと楽しく働き、お客様、世間から支持されていきます。

要するに、マインドの違いが大きな差を生んでいると言えます。

そして、従業員の仕事に対する意識に大きく影響するのが、
社長の事業に対する想い(事業を行う目的や目標)なのです。

企業理念が自ら考えて動く社員を増やしている

企業理念が考える軸となり、自ら考えて動く自律的な従業員が増えます。

その結果、

  • 指示待ち人間が減る、他の従業員が指導できるようになる
  • 社長不在時も在社時と同じように会社は回る
  • 日常業務以外のことに時間をさける

というメリットがあります。

変化が激しい現代社会では、自律した従業員が不可欠です。

ちなみに、「自律」を辞書で調べると

「自己の欲望や他社の命令に依存せず、自らの意志で客観的な道徳法則を立ててこれに従うこと」

とあります。

言い換えると、

「己の中に”こうあるべき、こう考える方がよい”という判断の軸を従業員が持っている」ということです。
その軸があることで、不測の事態にも柔軟に対応します。

カリスマ社長が陥る罠とは?

一方で、自ら考えて動けない、いわゆる「マニュアル人間」だと、常に社長の判断が求められます。

マニュアル人間ばかりの会社では、社長は、

  • 朝から晩まで現場に張り付き、指示を飛ばす
  • 結果、目の前の業務に忙殺され、社長業が出来ず、会社の成長は頭打ち

になります。

「俺が居ないと会社が回らない」

という状況ならかなりのマズい状態かもしれません。

規模が大きくなればなるほど社長が忙しくなり、本当にやりたいことも出来ない。

休みも取れず、いつも会社のことが頭から離れない状態が続けば、いずれ社長の心身に影響が出ることでしょう。

社長不在でも業務が進み、チョッとしたトラブルにも対応でき組織にしたいですね。

脱マニュアル人間は、「あり方教育から」

知識・スキルを教える「やり方教育」や「マニュアル教育」は仕組みを準備すれば容易ですが、

価値観を伝え共有する必要がある「あり方教育」は、時間がかかります。

しかし、とても重要です。

そして、あり方の基本が企業理念なのです。

「あり方教育」が社長依存型の組織から、社長不在でも会社が回る自立型組織へ転換させます。

実力派の社長ほど、社長依存型の組織になりがちです。

そして、事業承継の際に「次の社長候補が居ない」という事態にもなります。

経営者の育成には時間がかかりますし、そのためにはあり方教育を進め、自立型の組織になっている必要があります。

私の周りの中小企業社長のほとんどが承継候補不在で、

「安心して引退できない」という悩みを抱えつつ、日々経営をしています。

M&Aや事業売却も手段の一つですが、まずは社内から承継を出す。
または、売却してもしっかりまとまって頑張ってもらえる組織に育てることも、経営者の責務ではないでしょうか。

お金以外の「働く意義」を知る効果とは?

社長の事業にかける想いを知れば、お金以外の働く意義を感じることが出来ます。

自然にやる気が出て、生産性はアップし、顧客からの評価も上がります。

組織化により見失われる大事なこと

組織化で分業が進むと、目の前にある業務の意義が見えづらくなります。
業務によってはお客様に接することもなく、感謝されず、自分の仕事がどんな役にたっているのか分かりずらいのです。

そうなると、

「お金だけのために働く」

という事態になります。

勿論、お金のために働いているのですが、それだけでは不都合なことが起きるという事です。

私が会社員時代に実際に周囲で起きた出来事ですが、

同僚の中には、

・販売成績欲しさにお客様に全く役に立たないモノを売りつける

・ライバル関係にある営業マンの足を引っ張るような妨害工作をする

・仕事そっちのけで、ゴマすりに一生懸命になる

このような非生産的なことが沢山ありました。

これは、給料の為だけに働いていると起こりがちです。

本当にお客様、社会、そして会社の為を考えれば起きえないことなのです。

しかし、企業理念がシッカリ確立されていない、もしくは全く浸透していない場合には起こりがち。

そういう会社は雰囲気も悪く、活気もないケースが多いです。

スタバのバイトがイキイキしている理由とは?

スターバックスコーヒーは、多くのファンがいつも混雑しています。

お洒落な雰囲気や季節ごとのフレーバーなどの魅力もありますが、なんといってもスタッフがイキイキと働いており、そのホスピタリティが支持の理由でもあります。

しかし、働くスタッフのほとんどはアルバイトです。

特別時給が高いわけでもありません。

しかし、スターバックスの理念
「自分の居場所のように感じてもらえば、そこはカスタマーにとってくつろぎの空間になる。ゆったり、時にはスピーディーに思い思いの時間を楽しんでもらおう。人との触れ合いを通じて」
に共感したスタッフは、単に珈琲を提供するだけでなく、プラスアルファの気遣いやサービスを提供します。

結果、お客様から共感、感謝され、さらにやる気が引き出されています。

企業理念が従業員のやる気を引き出し、それが売上アップにつながっています。

商品・サービス以外の差別化が出来るから

「商品サービスではなく人で選ばれる」と言われますが、この場合の「人」とは何を指すのでしょうか。

それは、

商品のつくり手やサービスを提供する人

であり、もう少し掘り下げると、

「その人がどんな背景や想いを持って仕事をしているか?」

です。

インターネットが普及し、売れている商品・サービスはすぐに真似されてしまいます。

勿論、表面的に見ても真似できない部分も沢山ありますが、消費者にそれが判断できるのかと言えば違います。
なんとなく似たものであれば同じだと考える人も大勢います。

そんな時代だからこそ「人で選ばれる」と言われるのだと思います。

では、その「人」をどうやって伝えるのでしょうか?

どのように「人」を理解してもらえるでしょうか?

それこそが、その人の「想い」です。

『プロフェッショナル』に見るヒント

NHKで放映されている『プロフェッショナル』という番組をご覧になったことはありますか?

番組では、様々プロが登場しますが、仕事への想いが中心に描かれています。

視聴者はそこに共感し、長寿番組となっています。

どんな想いでその商品をつくっているのか?

素晴らしいサービスの背後にある情熱は?

それを知ると心が動かされます。

社長であるあなたが、

「なぜ、その使命感を持ち、その背後にはどんな想いがあるのか?」

を知ってもらうことが共感を得るポイントです。

企業理念のマーケティング効果

対面でお話しできれば伝えることも出来るでしょうが、多くの消費者に伝えることは現実的ではありません。

だからこそ、しっかり企業理念をつくり、多くの人に想いを伝えることをお勧めしています。

企業理念の第一目的は従業員へ社長の想いを伝えることですが、それを社会にも伝えることで宣伝広告効果もあります。

「あっ!私この人のサービスを受けたい」

「この会社の商品を使ってみたい」

と思ってもらい、他社ではなくあなたが選ばれるのです。

実際に弊社で企業理念構築をサポートし、それを動画にしたものを観た人が感動して、「この店行ってみたい!」と言ってくれたことが何度もあります。

※そのような理由から、弊社では、企業理念の明文化と共にその背後にあるストーリーや“想い”を動画にしています。

商品・サービスでは差別化が図りづらい現代会社では、特に効果的です。

企業理念は誰のもの?「経営理念」という言葉のリスク

よく「企業理念と経営理念との違いはなんですか?」と聞かれます。

厳密に言うと違う意味なのですが、当社では企業理念という言葉を使っています。

理由は、従業員には「会社を経営しているという感覚はない」からです。

経営理念と聞けば「自分には関係ない」と感じます。もっと乱暴に言えば「社長が勝手にやればいいじゃん」という感じです。

一方で、その会社で働いていれば企業に属しているという認識はあります。
だから、企業理念という言葉を自分事に捉えます。

些細な違いですが、受け取る印象は大きく変わります。

企業理念作成においても言葉選びは重要です。
重箱の隅をつつくようですが、この位細やかに考える必要があるという事です。

企業理念作成によるメリット事例

さて、ここからは、弊社が企業理念作成をお手伝いして起きた好事例をご紹介します。

社長自身のフリカエリとブレない軸

弊社で企業理念作成のお手伝いをする際、
社長さんの過去を徹底的に振り返っていただきます(私からの質問にお答えいただく形です)。

ある社長さんは、ご自身の過去のフリカエリから、
一番大事にしている信念が出来上がったあるキッカケを思い出されました。

それまで、その信念を忘れたことは無いのですが、キッカケはすっかり忘れていたのです。

思い出したことで、さらに信念が強くなったと仰いました。

その結果、スタッフへの指示出しもブレがなくなりました。

以前は、その時々で相手の様子を見ながら言い方を変えていたのですが、
今は一定のトーンで自信をもって伝えているそうです。

また、社長が信念を持つキッカケのエピソードを従業員さんが知った時、

「いつも社長がうるさく言う事の意味が分かりました。私たちもしっかり守ります」

と言ってくれたのです。

いつも社長が伝えているコトの背景にある出来事を伝えることは、指示に対する説得力を増します

適切人財の採用と定着率アップ

弊社がサポートして企業理念を作成した企業様で採用面接を受けた女性がいらっしゃいました。

美容師で、既に何店舗か経験された女性です。

今まで、「どんな会社かな?」「こうだったらいいな」と思いながら入店してみると「なんか違う」という感じで、転職を繰り返していたそうです。

しかし、この会社の面接時に社長から事業にかける想いを話してもらったことで、しっかり納得して入社し、働き始めてからも違和感がないとのことです。

今では、主力スタッフとして活躍されています。

このように、これから仲間になる人にも企業理念を通じて想いを伝えることで、共感した人だけが入社します。

「こんな筈じゃなかった」と言って退職し、また、お金と時間をかけて採用活動するという悪循環から脱することが出来ます。

指示待ち人間から脱却し自ら考える社員に変身

弊社クライアント企業にお客様問い合わせ窓口担当の女性がいらっしゃいました。

その女性は、マニュアルに書いていない問合せがあると、社長に電話をかけて「どうしたらよいか?」と質問していました。

その度に社長の仕事の手が止まります。

暫く、その状態他続いたので、
社長は彼女に「もう、信心じゃないから自分で考えて答えていいんだよ」と伝えたのですが、彼女からの電話は減りません。

しかし、企業理念をつくった後、彼女からの電話は激減したのです。

その理由は、彼女は自分の勤め先の企業理念を知ることで、

「自分は、どんな人に?何を提供し、その人たちにどうなってもらうべきか。そして、そのためにはどうすればよいか?」
がハッキリわかり、


「その為にはどうすればよいか?」
を考えれば自然に答えが出るようになった
そうです。

いわゆる「マニュアル人間」「指示待ち人間」が自律的に考えて行動するようになった事例です。

企業理念の作り方

これまで、企業理念をつくるメリットを説明してきました。

ここからは、具体的な作成方法をお伝えします。

おさえるべきポイントを外すと、せっかく企業理念をつくっても逆効果になりえます。

ミッション・ビジョン・バリューで成長し続ける企業に

企業理念の表し方にはこれと言った決まりはありません。

しかし、適切な「型」というものがあります。

会社を経営していく上では、様々な変化に対応する必要があります。

例えば、

・産業そのものが衰退する

・技術革新で今の製品ニーズがなくなる

等の場合、

・新規事業に参入

・新たな人材を採用

する必要が出てきます。

その時の判断材料になるような「型」に沿った企業理念であれば、
変化に対応できる企業であるとも言えます。

そこで、弊社がご提案している「型」は以下の3つの要素で企業理念を構成します。

  • ミッション(使命)
  • ビジョン(目指すべき企業像/社会)
  • バリュー(価値観)

この3つの要素で企業理念を構築すると、今後の事業展開における判断や決断をする時の判断の基になりますし、
新規事業進出や人事においても指針となります。

逆に、もし、企業理念が

「誠意・信頼・努力」

という3語であれば、判断材料としては乏しいと言わざるを得ません。

では、次からミッション・ビジョン・バリューそれぞれについて解説していきます。

ミッション

ミッションとは、日本語に訳すと「使命」です。

使命とは読んで字のごとく、「命を使う」ことです。

「なぜ、その仕事をしているの?

と訊かれたときの答えに含まれるもの。

企業理念作成で一番難しいのがこの使命の成文化です。

先ずは、あなたの過去を振り返ることから始めてみてください。

弊社では企業理念作成サポートをしていますが、殆どの場合、社長さんは何かに導かれるように今の事業をスタートされています。

特に、「企業理念をつくろう」と思われたあなたは、「想いを明確にして伝えたい」という気持ちがあるのですから、その想いには原点があるからです。

今の仕事を始めたキッカケや想いを書きだしてください。

※なるべくたくさん書き出すことがポイントです。

それを眺めていると、記憶が整理されます。
そして、なんとなく見えてくるものがあるかもしれません。

弊社で企業理念作成を承る場合も、幼少期からの出来事をじっくりお聞きします。
過去の様々なことを思い出しているうちに、自身の内なる気持ちに気づくことも多いようです。

一見、企業理念とは無関係のように見えますが、大事な部分ですので、じっくり取り組んでください。

ビジョン

ビジョンには、大きく以下の2つを入れてください。

目指すべき企業像

目指す経営数値

上記を踏まえてどんな社会(世界)をつくりたいか?

企業経営を行う上でのゴール設定は大切です。

どんな組織で使命を達成し、その結果出しえる利益目標を明確にする。
たとえ、理想の組織が出来上がっても利益が無ければ継続できません

また、社会から存在を許されているから企業活動が出来ます。
自社の事業を通じてどんな社会づくりに貢献しているのか?を考えてみましょう。

ビジョンは、「ミッション」(使命)に比べれば、既にハッキリ思い描かれていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

しかし、「ミッション」(使命)をハッキリさせてから、改めて「ビジョン」を考えると、
これまでとは違う景色が見える場合があります。
「ミッション」作成はとても大事なものなのです。

ミッション・ビジョン・バリューの重要性は同じですが、作成における優先順位はミッションが第一だということを忘れないようにしてください。

バリュー

バリューは日本語にすると「価値観」「価値基準」です。

  • なにを大切にしているのか?
  • こだわる必要がないモノは?

といった事です。
判断する際の優先順位とも言えます。

加えて、

  • ミッションを達成させるため判断材料
  • 自ら考えて行動するための具体的な「基準」
    →「行動指針」(後述)のベースになるもの

です。

特にバリューは従業員さんにしっかり共有することが大切です。

業務は日々判断の連続です。
マニュアルだけでは限界があります。そこで、バリューが大事になります。

また、経営者も、日々、判断を迫られます。

すぐに答えが出るものもあれば、決断に悩むこともあります。

その時に、

「わが社の使命に則しているか?」(ミッション)

「目指している姿に近づけるか?」(ビジョン)

を考えることが大切ですが、

それに加え、

「自分の価値観に合っているか?」(バリュー)

も重要な要素です。

なぜなら、

「人間は好き嫌いで動いてる」からです。

経営者である自分の好き嫌いをハッキリ伝えるのが、「バリュー」です。

「好き嫌い」と言っても、

企業は社長個人とは別人格なので、先ずは、法人として、

・大事にしたいこと

・やりたくないこと

を「バリュー」でしっかり示してください。

企業理念を浸透させる

ここまで、企業理念とは何か?その重要性、そして作成方法を述べてまいりました。

しかし、企業理念が全社に浸透し、従業員の行動が変わらなければ「絵に描いた餅」となってしまいます。

企業理念を通じて伝わることは沢山あります。

しかし、実際の行動を変化させるためにはちょっと足りないというのが私の実感です。

その理由は、

企業理念は抽象的だからです。

ミッション・ビジョン・バリューと要素ごとにしっかり言語化しても、
文字数の関係もあり、どうしても実践の場での判断基準としては不足している部分があります。

経営者には十分でも、従業員にとってはちょっと足りないのです。

そこで、弊社では、もっと業務に則し、従業員視点で作成した「行動指針」を策定することを勧めております。

行動指針については、別の記事で説明しておりますので、併せてお読みください。

最後に

ここまで、企業理念について説明してきました。

既にご存知のことは多々あったかと思います。
しかし、全体像をつかみ、ポイントを押さえておかないと、社長だけが満足する「独りよがり企業理念」になりがちです。

そうなると、従業員は白けてしまい、やる気ダウンにもつながります。

これでは、せっかく企業理念をつくってもかえって逆効果となります。

そうならないようにするために、

「従業員ならどう考えるか?」

も考慮して企業理念をつくってください。

※株式会社ともつくりでは、企業理念の作成サポートサービスを提供しています。

社長さんから想いを引出し、シッカリ伝わる形で言語化。行動指針策定、映像化まで行っています。

自分で企業理念をつくろうと思ったけど、

「どうもうまく言葉にできない」

「書いてみたけどしっくりこない」

等のお悩みをお持ち出れば、こちらからご相談ください。初回の相談料は無料となっております。

企業理念が浸透しない?そのお悩みクレドが解決します | 株式会社ともつくり|想いを伝える動画制作

このページでは、「企業理念が浸透しない」、「従業員の行動が変わらない」とお悩みに社長さんに、クレドを使った解決方法をお伝えします。日本でもクレドカードの認知度…

投稿者プロフィール

原田泰之
原田泰之㈱ともつくり代表取締役
「社長もスタッフもイキイキ健康で働く企業を増やす」を使命に結集した、イキイキ健康経営サポーターズの統括/企業理念構築担当。企業理念を軸にした『健康経営優良法人認定』のサポートをプロフェッショナル集団と共に行う。企業理念の専門家、健康経営アドバイザー。