このページでは、
「企業理念が浸透しない」、「従業員の行動が変わらない」とお悩みに社長さんに、
クレドを使った解決方法をお伝えします。

日本でもクレドカードの認知度は高まっています。

リッツカールトン・ホテルで採用され、”想像を超えたおもてなし”がしばしば話題になります。

例えば、宿泊客が書類を部屋に置き忘れた。それが無いと重要な会議が成り立たない大切なものだけど、客は既に新幹線の中。
そのお客を新幹線で追いかけて届けたリッツカールトン職員がいます。

一般的には考えられないことですが、それが普通にできるから多くの人の心を捉え、高額な宿泊費にもかかわらず支持されているのでしょう。

社長さんや教育担当の方であれば、こんな従業員を増やしたいと熱望されると思います。

しかし、現実は全く逆なのではないでしょうか?
いわゆる、マニュアル人間や日和見な態度で積極的にトライしない人が多数派かもしれません。

私は、起業する前に、中小企業4社で働き、BtoB営業で多くの会社とお付き合い(飲んだり、ゴルフしたり、長時間業務を共にしたり)の経験がありました。

しかし、同僚にも取引先にも、リッツカールトンのような仕事をする人には会ったことありません。

なぜでしょうか?

この記事では、マニュアル人間になる理由と、弊社がご提案している解決方法をお伝えします。

クレドとは?

クレドは、ラテン語で「信条」「志」「約束」という意味です。

ビジネスでは、企業理念が一番近い言葉ですが、弊社では、

  • 理念を分りやすく実践的に記したもの
  • 行動指針

組み合わせたものと定義しています。

そして、それをカードに記したものが「クレドカード」です。

それにより、

  • 理念(社長の想い)の浸透
  • 従業員の自主性を育むことが出来ます

ことが出来ます。

※企業理念に関しては、こちらの記事で詳しく解説します。

クレドカードを会社で働く、経営者からアルバイトまで全ての人が常に携帯し、日々、意識することで、全社同じ「軸」で考えることで、トップから末端まで一貫した行動が可能となり、一致団結した強い組織になります。

次の章からは、行動指針について詳しく説明していきます。

行動指針とは?「マニュアル」との違い

企業理念と共にクレドカードに記載すべき「行動指針」。

行動指針とは、
一般的に「行動をするための基本方針」を意味します。

業務においては「行動を起こす際に、どうするべきかの判断基準」で、従業員が行動する際の指標となっています。

では、行動指針とマニュアルの違いをハンバーガーショップを例に見ていきましょう。

【ハンバーガーショップのマニュアル】

1.パティ(肉)は1分焼いたらひっくり返し45秒焼く

2.バターを塗ったパンの上に置き、ピクルスを3枚三角形に並べる

3.ケチャップとマスタードを一目盛り絞る。

【ハンバーガーショップの行動指針】

お客様が「このお店好き!また来たい」と思っていただく商品・サービスを提供します。

この場合、従業員は「お客様がまた来たいと思うってどういうことかな?」と考えるようになります。


そして、「こうかな!?」と決めて、行動に移します。

その結果、残念な結果になることもあるでしょう。

しかし、人間はトライ&エラーを繰り返すことで成長します。

マニュアル通りに仕事をしていれば大きな失敗は起きませんが、従業員の成長は無く、現在より優れた商品、サービスは生まれてきません

いつまでたっても同じレベルで、成長しないことになります。

自ら考え、実行し、そこから得られるフィードバックこそが血肉になります。

なぜ、マニュアル人間が量産されるのか?
従業員が自主的に行動するために必要な行動指針

「自分で考えてトライ&エラーしてくれる従業員ばかりだったらなぁ」

社長であるあなたはそう考えたことがあると思います。
しかし、”現実は決められた通りのことだけやる”従業員さんが多いのではないでしょうか?

私は、以前からたくさんの社長さんとお付き合いがあります。

よく耳にする社長さんの愚痴として、

「マニュアル人間ばっかり」
「ちょっと状況が変わると対応できない」
「そもそも何も考えない」

というものがあります。

以前、会社に勤めていた私からすると、確かに共感できる内容です。

私自身、中小企業(従業員数50名~300名)4社に勤務しましたが、
自ら考え、トライ&エラーを繰り返す同僚や取引先の社員はほとんど見たことがありません。

その理由は、二つ考えられます。

マニュアル人間になる理由その1

ひとつ目の理由は、

仕事で失敗したら減点になるから

です。

社長や上司が

「失敗してもいいからドンドンやれ!」

と言ったのに、実際に失敗すると叱責の嵐。。。。

そして、評価ダウン。

私自身何度も経験しましたし、同僚がそんな目に遭っているのをたくさん見てきました。

そんな風土でチャレンジ精神が養われるでしょうか?

従業員が、
行動指針に明記されている「お客様に好きになってもらうため」にやった結果に起きた”残念な結果”に対しては、叱責はもちろん、減点はしないというルールを社長や管理職が徹底すればよいのです。

特にポイントは評価する中間管理職です。

なぜなら、中間管理職も評価される対象だからです。
なので、部下の失敗は自分の減点につながるから、叱責につながります。

このように、せっかく従業員さんがトライしたのに「残念な結果」となり、それが悪循環を生み出しています。

これは、大きな問題ですが、
「行動指針を基に判断・行動した結果の責任は問わない」と明記することでこれは防げます。

従業員がステップアップしているイメージ写真
行動指針がステップアップをサポートする

一番の恐怖である「減点」を回避できれば、新たなアイデアも積極的な行動も自然に生まれます。

トライ&エラーを繰り返えしてもらい、成長してもらいましょう。

成長を実感できれば、更なるやる気が引き出されます。
業績の自然と良くなります。

そして、さらに成長した人たちの中から、社長の右腕的存在が現れれば、社長は日常業務から解放され、社長が本来やるべき仕事に専念できます。

  • 事業計画を練る
  • 人に会う
  • セミナーなどに参加して勉強する

そうすることで、会社は次のステップに進めるのではないでしょうか。

事実、私の周囲で成功している経営者は、会社から離れる時間を確保し、”本来の社長業”に注力している方々ばかりです。

マニュアル人間になる理由その2

二つ目の理由は、

従業員は、”何をどう判断すればよいか”がわからないから

です。

充分な経験がある経営者や管理職が「考えればわかる」ことでも、
キャリアの浅い人、そして、たとえベテランでも決まりきったこと以外は苦手な人はたくさん居ます。

「自分で考えろ」と言われても、何かしらの基準が無いと難しタイプの人達です。

これは、人それぞれの個性の問題なので、良い悪いでもなく、さらに簡単に変わるものではなりません。

そこで、行動指針で、考えるための軸を提示してあげることで、それをキッカケに考えるようになります。

脱マニュアル人間を実現した事例

弊社のクライアント様に、コールセンター業務の女性がいらっしゃいました。

その方は、マニュアルに書いてない問い合わせがあるとすぐに社長に電話をしてきたそうです。
その度に社長の仕事は止まってしまう。。。。

そこで、社長は「もう、新人じゃないのだから自分で考えて回答していいよ」と伝えたのです。

しかし、その女性は「でも~・・・・・」と、変わらず社長に電話をしてきます。

しかし、弊社で企業理念と行動指針をしてからは変化が見られました。

女性から社長への電話が激減したのです。

後日、その女性から直接お話を聞く機会がありました。

その女性は、
「ウチの会社は、どんな人に、何を提供して、その人にどうなってもらい、そういう人が増やすことで目指すべき社会が分ったから、その為にどうすればよいか?を考えると自然に答えが出るようになりました」
とおっしゃられました。

この言葉を聞いた時、行動指針の作成(そのベースにある企業理念は勿論のこと)は、マニュアル人間を”自ら考えて動く従業員”に変えるのだと実感しました。

そして、社長は問い合わせ電話から解放され、社長業の手が止まることは無くなりました。

社長が「ハードワークが基本」から脱却する方法

多くの中小企業では、マニュアル人間、指示待ち人間が多いため、

社長が、エースで4番で監督というケースが良く見られます。

結果、社内一のハードワーカー。

毎日の業務に追われ、新しいことにチャレンジする余裕もなく、最悪、社長は身体を壊して戦線離脱。。。。。

指示待ち人間、マニュアル人間ばかりで不測の対応ができない「社長がいないと回らない組織」であれば、何か起きたら取り返しのつかない事態になります。

一方で、従業員が自ら考え、トライ&エラーしながら働く組織ならどうでしょうか?

行動指針を基に、社長不在でもしっかり働く従業員が居れば、経営の自走化につながります。
そうなれば、会社は成長し、社長の素晴らしい想い込められた商品・サービスをより多くの人に届けることができるでしょう。

勿論、行動指針を準備するだけで「社長不在」を可能にするものではありません。
しかし、経営の自走化には不可欠な要素です。
家で例えるなら基礎部分であり、脆弱な基礎しか無ければ、立派な建物を建ててもいずれ崩れてしまいます。

そうならないようにするために必要なのが、行動指針であり、企業理念を分りやすく実践的にしたものを併記したクレドカードなのです。

ただし、注意していただきたいのですが、マニュアル不要というわけではありません。

業務マニュアルは必要です。
料理の作り方を従業員の創造性だけに任せてはとんでもない料理になります。
何事も基本は必要です。

ただ、マニュアルだけだと自ら考えない、考えたことを実行できない人が多いのは私の経験から確実に言えることです。

社長が陥る罠とは?

社長さんの中には、

「行動指針なんかなくても自ら考えてトライ&エラーして、失敗を責められてもめげずに頑張ればいいじゃないか」

というような疑問を持たれたかもしれません。

しかし、それは、あなたが、

  • 与えられなくても「考える軸」を持っている(もしくはつくれる)
  • 失敗の苦い経験をバネに頑張れる

タイプの人間という事です。

ただ、世の中には色々な人間が居ます。

私はサラリーマンとして23年間、計4社の中小企業で勤務しました。
その経験から感じることは、中小企業では仕事をする上での「考える軸」を持っていない、つくれない人の方が圧倒的に多いと感じています。

同僚、上司で「考える軸」をしっかり持って仕事をしている人は2割以下というのが実感です。

80:20の法則というのがありますが、まさにそれに当てはまると思います。

さらに、「考える軸」を持っていても、日和見的は人は指示待ちになります。
自分なりに考え行動した結果を否定され、評価を下げることを恐れるため(この点は既に述べました)です。

そうなると、実際に自分で考えて決断して行動せず、当たり障りのない行動、言動に終始することになります。

行動指針とクレドカードのつくり方

では、ここで、行動指針の作り方をご紹介します。

まず、一番のポイントは、

行動指針の作成は従業員に任せる

ことです。

理由は、

  • 人間は「自分のことは自分で決めたい」
  • 自ら考えるトレーニング
  • 作成に参加することで行動指針を自分事にする
  • 会社と従業員の間で信頼関係ができる

からです。

一つずつ理由を説明します。

人間の基本的欲求に沿って作成する

マニュアル人間と言われている人でも、「自分のやりたいようにやりたい!」というのが本音です。

しかし、すでに述べた様々な事情により、マニュアル人間や指示待ち人間に”職場ではなっています”
→ここは重要なところであり、言い換えれば「そうなった方が得だ」と思わせる職場環境とも言えます

また、会社が行動指針を作って「はい、これを使ってね」と言っても、行動指針に書いてあることしかしないマニュアル人間が再生産されるだけです。

先程から何度もお伝えしているように、
自ら考え、決めて、行動する

そして、トライ&エラーを重ねることで人間は成長していきます。

言われたことだけをやっている人間にそれ以上の進歩はありません。

行動指針作成から始める「考える」トレーニング

行動指針の役割は「自ら考え、判断するための軸」です。


ですが、軸があっても、そもそも考える習慣が無いと、”結局考えない”という結果もあり得ます。

そこで、どんな行動指針が良いのか?を従業員自らが考え、決めることが、行動指針作成後に実際に使用する為に役立つトレーニングになります。

コミットメントを高める

自ら考えて決めたことに対しての結果は、振り返る時の厚みが違います。

自分が決めたプロセスがあることで、改善点もはっきり見えてきますし、責任の所在も明らかです。

「社長の言うとおりにした結果だから」と思ったら他人事になってしまいます。

従業員に任せることで信頼を示す

行動指針の作成は、企業理念と並ぶくらい重要です。

そのような「大事なことを会社が任せてくれた」という感覚は、責任感を養うとともに、会社が従業員を信頼していることを伝えます。

弊社では、クレド作成のお手伝いをする際には、従業員さんに行動指針を書いていただきます。
心配される社長さんもいらっしゃいますが、従業員さんは一生懸命、行動指針を作成してくれます(もちろん、弊社で推敲は致します)

研修と同じ効果を発揮

以前、ベテランの企業研修講師と行動指針作成に関してお話をしました。

その方は、

「従業員同士が相談しながら行動指針を作成することは、
 企業理念を浸透させる研修を受けていることと同じ効果がある」

とおっしゃられました。

確かに、企業理念をベースに行動指針を決めるプロセスでは、企業理念を強く意識する必要があります。
自然と企業理念が浸透していくのも当然のことかもしれません。

行動指針に盛り込むべき要素

では、行動指針にはどんなことを書けばよいのでしょうか?

まずは、企業理念に書いてあることが基本になりますが、項目を分けて考えるとバランスの良い行動指針となります。
その項目は以下の3つです。

  • 働く仲間・家族に対して
  • お客様に対して
  • 業界・地域に対して

他にも業種・業界により様々なカテゴリーが考えられると思いますが、まずは上記3つのカテゴリーから始めてみましょう。

次の章から、ひとつひとつ解説します。

カテゴリー1 働く仲間・家族に対して

最初の項目が「お客様」ではないことに違和感を感じた方もいらっしゃると思います。
実際、クライアントの中には「お客様ファーストだから、最初にしたい」というご要望もあります。

ただ、お客様に質の高い商品・サービスを提供するためには、同僚と家族の協力が不可欠です。

この視点が疎かになると、社内の軋轢や家庭不和が生じ、従業員の精神は乱れます。
そのような状態で素晴らしいサービスが提供するのは難しいでしょう。

項目2 お客様に対して

とっさの判断と対応が求められるのが顧客対応です。

同僚や協力業者さんには多少の猶予があっても、お客様は待ってくれません。
その場で考え、決める必要があり、自ら考えることが一番要求されます。

自社のお客様の傾向や業界の事情を考慮して決定してください。

項目3 業界・地域に対して

業務を進めるうえで、協力業者にお世話になることもあります。

また、その地域に会社を置くことで経営ができます。

協力業者に対して「金払ってんだから当然」という感覚を捨て、一緒に仕事をするパートナーだという認識を持つことで、有益な情報を貰ったり、困った時に助けてもらえる関係が築けます。

着ている制服は違うだけで、同じ目標に向かって頑張る「社外社員」と言えるかもしれません。

私は勤務時代に多くの協力業者さんにお世話になりましたが、同僚の中には「外注扱い」で横柄な態度で接する人も居ました。
また、営業職だったので、自身が協力業者になることも多かったのですが、会社により接してくる態度は様々でした。

お客様なので公平に扱うべきと理解していたつもりですが、やはり、何か特別な対応を迫られた時に気持ちよく対応できるクライアントとそうではない顧客では気持ちが違っていました。

また、会社を置いている地域から一切注文が無かったとしても、地域の評判は大切です。

「あの会社は我が町の誇りだ!」

と言ってもらえるような会社であれば、地域から素晴らしい人材が就職してくれることもあるでしょう。

従業員が自社に誇りを持つ要因の一つにもなります。

その他の要素

上記3つは必須として、それ以外に取り入れる要素としては、株主があります。

出資者に対して還元することは企業の使命の一つですから、外部株主がいらっしゃる場合は取り入れも良いでしょう。

企業理念を基本とする

企業理念をしっかりつくっても、どうしても抽象的な部分があります。
従業員が自ら考えて判断する材料にするには少し足りないので、それを補うために行動指針をつくります。

よって、原則として、行動指針は企業理念をベースに作成してください。

※企業理念の「バリュー」に重点を置くと連動しやすくなります。

企業理念のつくり方については、別の記事『専門用語なし!「企業理念とは?」作り方までシンプル解説』をご覧ください。

クレドカードのつくり方

完成した行動指針と企業理念を一つのカードにまとめればクレドカードが出来上がります。

形式は自由ですが、弊社では、

  • 企業理念と行動指針を片面ずつ
  • 四つ折り
  • サイズは名刺サイズ

にしています。

ポケット入れたり手帳に挟めるサイズで、いつでも持ち歩けるようにすることがポイントです。

行動指針で自走し成長し続ける組織に

企業理念と行動指針を盛り込んだクレドカードをつくり、「考える軸」を持ってもらうことで、自ら考える従業員が増えます。

自ら考え、成長する従業員の存在は会社の発展に不可欠です。

いくら社長が優秀でも、社長一人の能力では限界があります。
従業員さんに力を発揮してもらえるか?が勝負の分かれ目かと思います。

従業員が自ら考えて動き、それが成果につながっていくこと。
さらには、自分が働く意義を知ることで、給料以外での働く意義を知ればより力を発揮してくれます。

そして、その結果、会社の業績はアップし、利益も出るようになれば従業員さんへの報酬も増え、さらにやる気を引き出すことができるでしょう。

社長の想いを共有しながら、やりがいを感じて試行錯誤する従業員の姿を想像してください。

あなたの会社がこれからドンドン発展するイメージができるのではないでしょうか?

専門用語なし!「企業理念とは?」作り方までシンプル解説

この記事は、中小企業特有の事情を踏まえた企業理念の作成ポイントをお伝えします。 具体的には、 ・企業理念とは何か?・なぜ、中小企業ほど企業理念が大切なのか?・つ…

投稿者プロフィール

原田泰之
原田泰之㈱ともつくり代表取締役
なかなか浸透しない企業理念(社長の想い)を分りやすく実践的に伝える「クレド」の専門家。
自身のサラリーマン・経営者双方の経験から、経営者の想いを従業員が理解し、働く人がやりがいを持ち、全社一丸で頑張ることが企業発展のカギであると確信する。
クレドムービー+クレドカードという独自の組合せで、中小企業の発展をサポートしている。