以前、ある交流会で

「うちの会社も、原田さんに企業理念をお願いできる規模になれるように頑張ります!」

とおっしゃった社長さんがいらっしゃいました(その社長さんは、2名雇用され、事業も堅調)
これは、小さな会社の社長さんから良く言われることです。


企業理念やクレドは最低でも従業員が10名位いる会社がつくるものという思いがあるようです。

ただ、それはちょと違うのかなと私は考えています。

基準は従業員数ではない

私はクレド(企業理念)作成に興味を持ってくれた社長さんにはこうお伝えしています。

従業員が一人でもつくった方がいいですよ」

理由は、少人数なら社長の想いが自然に伝わるわけではないから。

しかし、社長さんから

「いつも一緒に働いているから言わなくてもわかってもらえている」

「想いをいつも話しているから大丈夫」

というご意見を聞きます。

果たしてそうでしょうか?

意外と伝わっていない「想い」

社長さんの事業にかける想い、
例えば、

「ウチの製品で困っている人を助けたい」
「お店に来たお客さんが元気になって、明日から頑張って欲しい」

社長にそんな素敵な想いがあると知れば、従業員は業務を通じて、仕事に対してやりがいや誇りを持てます。

全従業員が同じ方向を向いて頑張っていけます。皆で力を合わせれば、本来の力を発揮します。

ただし、想いを共有するためには分かりやすく、かみ砕いて、実践的に伝える必要があります。

「頑張っている姿を見せれば、わかってもらえる」

とお思いなら、チョッと考えてみてください。

黙っていても、奥様や旦那さんに、あなたの「想い」はすべて伝わっていますか?

残念ながら、答えが「NO」の方が多いと思います(私もその一人ですが・・・・)

何年も寝食を共にしている相手でも、言わなきゃわかってもらえないことも沢山あります。
仕事のみの付き合いである従業員とであれば、尚更かと思います。

だから、社長の事業にかける想いや従業員対する期待や愛情を、しっかりと分りやすく伝える必要があります。

ジックリ対話することも大切ですが、タイミングや相手により少しずつ内容が変わってしまうものです。
聞いている方はそれをブレと感じるかもしれません。

そうならないように社長の「想い」を明文化することをおすすめします。
それこそが企業理念です。

そして、理念を分かりやすく実践的に伝えるものが「クレド」なのです。

少人数の時こそ理念浸透のチャンス

以上のことから、「想い」の明文化は大切だとご理解いただけたかと思います。
ただし、明文化するだけでは不十分です。

それを浸透させ、広く伝えることが大切です。

しかし、人数が多くなり、時間が経つと浸透のハードルは高くなります。
長く働いている人が多くなればなるほど、その人個人の仕事や会社に対する価値観は固まってしまいます。
それを変えるのはかなりの時間と根気が必要となります。

一方、従業員数が少ない会社や、歴史が浅い会社は、想いを明文化し理念を作り「クレド」をつくるチャンスです。

社長さんの想いを基に理念を作った後に、従業員参加型で行動指針をつくることもおススメです。
その際、従業員数が多い場合、選抜チームをつくりますが、少人数なら全員参加が可能です。

行動指針は主に従業員さんが使うもの。
自ら製作にかかわればコミットしますので、理想は全員参加なのです。
選抜チームではなく全員参加が可能なのは企業規模が小さい場合に限られます。

よって、従業員数が少ない時は、理念構築、行動指針作成のチャンスなのです。

クレドカードがPR大使になる

企業理念と行動指針を盛り込んだ「クレドカード」をつくって、従業員さん全員に常に携帯してもらうようにしましょう。
社長からアルバイト社員まで、ひとつのクレドをベースに同じ価値観、判断基準で一致団結して動く組織にします。

製作した、クレドカードは、是非、社内だけではなく、社外の人にも配ってください。
お客様、お取引先、近所の方達にも渡しましょう。

社長の事業にかける想いや、従業員さんの心得などを伝えることが多くの人からの共感を呼び、あなたの会社をより好きになってもらうことが出来ます。
広く発信することで、ファンを増やし、価値観に共感した意欲ある求職者を引寄せることが出来ます。

想いに共感したお客様から選ばれ続け、売上アップし、それに応えるモチベーション高い従業員が企業の発展を支えてくれます。

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投稿者プロフィール

原田泰之
原田泰之㈱ともつくり代表取締役
「社長もスタッフもイキイキ健康で働く企業を増やす」を使命に結集した、イキイキ健康経営サポーターズの統括/企業理念構築担当。企業理念を軸にした『健康経営優良法人認定』のサポートをプロフェッショナル集団と共に行う。企業理念の専門家、健康経営アドバイザー。